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『邪魔(奥田英朗)』の感想を紹介!【ネタバレなし】

こんにちは、うさみです。 今回は奥田英朗さんの『邪魔』を極力ネタバレなしでご紹介します。

疑念や嫉妬、プライド、弱さなどの人間の心理をうまく描いた1冊。主人公が行きつく最後がどこなのかが気になる重ための作品です。

内容紹介

「夫は放火犯かもしれない・・・」

そんな疑惑が芽生えた時から平凡な主婦・恭子の日常は変わっていく。

日常と家族を守ろうと奮闘する恭子と、放火犯をつかまえようとする九野刑事の向かう先とは・・・。

読んだ感想

「夫が放火をしたのでは・・・?」と疑念を抱いたところから日常が変わっていく一人の主婦と、その放火犯を追う刑事を交互に主人公にして物語が進みます。

 

最初は普通の刑事小説かな?と思って読み進めましたが、主婦が夫に疑念を抱きはじめたあたりからストーリーに疾走感が生まれてどんどんと引き込まれていきました。

 

主婦・恭子は普通の主婦だったのに、夫への疑念から「なんとしても子どもを守らなきゃ」「自分がやらなきゃ」という使命感にかられて人が変わっていきます。まさに180度性格が変わったようになってしまうのですが、それが恭子の転落人生のはじまり。

スピードが出てしまって坂道を転げ落ちるしかない自転車のように急転落していき、最後は壁に激突・・・のようなストーリー展開です。

普通の主婦のはずだったのになんとあわれな・・・と思ってしまったほどです。

 

でも人は、あるきっかけで何かのスイッチが入ってしまうことがあるかもな、とも思いました。

『周りが見えなくなって、自分の正義がすべてになって、ふっと気づいた時には大切なものを失っている』

そんな経験ないですか?私はちょっと思い当たることがあって、またそんな状態になっているんじゃないかなという知人にも心当たりがあります(汗)

 

もう一人の主人公・九野刑事も普通の刑事かと思いきや、実は問題を抱えているというのがびっくりさせられたところ。

 

二人の主人公が最後どこに行き着くのかが見どころのひとつではありますが、個人的には納得のいくエンディングではありませんでした。好きじゃない終わり方で、そこだけが惜しかったなと思いました。

 

どちらかというと後味の良い終わり方ではないので、好き嫌いがわかれるかもしれません。

でも、人間なら誰もが持つ疑心感・嫉妬・弱さ・プライド・喪失感などの心の闇をうまく描いた作品です。疾走感もあって、ついついのめり込んで最後まで読み終えてしまう1冊です。

文庫本は上下巻に分かれているほど長い小説なので、じっくりと長編小説を読みたい人におすすめです。

 

世間の評価

主人公たちの心の闇や変化をうまく描いていると評価が高い人が多いですね。結末は賛否両論あるものの、それも含めた「重たい」感じが妙にリアルで面白かった人が多いようです。

 

また、奥田英朗さんの他の作品と比べると「あんまりかな」という意見も多く見られます。ただ酷評の数は少ないので、全体的に評価が高い小説でしょう。

 

こんな人におすすめ

  • 刑事小説が好き
  • ちょっと暗めの話が好き
  • 後味の悪い小説でも大丈夫
  • 長編小説を読みたい

 

商品情報

単行本

文庫本

*上下巻に分かれています

 

あわせて読みたい小説

映画化もされた「愚行録」。人間の心の闇を描いた重たいテーマの1冊です。

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