管理人kisa
こんにちは、kisaです!今回は伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』を極力ネタバレなしでご紹介します。
現在と過去が交互に描かれることで明らかになっていく真実とは・・・!
濱田岳さん、瑛太さん主演で映画化もされた作品です。
『アヒルと鴨のコインロッカー』のあらすじ
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!(東京創元社「アヒルと鴨のコインロッカー-伊坂幸太郎/著」より)
『アヒルと鴨のコインロッカー』の感想
物語が、現在と過去でシーンが入れ替わるため、読み始めは少々混乱しますが、やはりこのこだわられたプロットはさすが伊坂幸太郎というしかありません。
「広辞苑を盗むための本屋を強盗する」という現在のシーン、そして本屋強盗の真意を明らかにするための過去のシーン。
これらを読みすすめていくことで見えてくる答えに、あぁっ!と思わず声を上げてしまいそうになるミスリードとフラグ回収は見事です。
読み終えたあとにストーリーを順番に並べ替えてしまうと、とてもありきたりな話であることに気がつくのですが、ありきたりな物語をここまで面白く書けるのは恐らく伊坂幸太郎さんだからこそです。
伊坂幸太郎さんの作品は、面白いストーリーをただ右から左へ書き連ねていくのではなく、考え込まれた順番で描くことにより、特徴的な起承転結でストーリーを展開させていくことが印象ですが、今作ではまさにその手法が際立っています。
管理人kisa
常に読者の興味がどんどんとひかれていくように、続きが気になる場面で「現在」と「過去」のシーンが入れ替わるように書かれていますので、読み始めたらとまりません。
小気味よい会話、登場人物のクールな立ち振る舞いも魅力的で、まさに伊坂ワールドな作品。
どうして伊坂幸太郎作品に出て来る登場人物はこうも魅力的なのか、いつも考えさせられます