加賀恭一郎シリーズ第4作品目です。今回はタイトル通り『悪意』がテーマ。改めて東野圭吾の凄さを感じられる1冊でした。
あなたは本当の悪意に気付けるか・・・?
『悪意』のあらすじ
人気作家・日高邦彦が殺された。第一発見者は妻と親友の野々口。
じきに野々口は犯行を認めた。しかし加賀刑事は犯行の動機に疑問をもつ。
本当に語られる動機が真実なのか・・・?本物の悪意が明かされる時、あなたはきっと人間の闇に触れることになる。
『悪意』の感想
殺人事件が起こりますが、すぐに犯人が判明します。そしてその犯人の手記と加賀刑事の記録が交互に描かれるというちょっと変わった構成で物語が進みます。
犯人はわかっているのですが、その動機に疑問を抱いた加賀刑事が本当の動機を探っていきます。
その動機にまつわる本当の悪意が明かされた時にまたもや「あ~やられた・・・!」と思ってしまいました。正直東野圭吾さんの小説を読む時はいつもですね(笑)
構成上、語り手や文体がコロコロ変わります。この構成が慣れないと読みにくいと感じてしまうのですが、でもこの小説はこの構成じゃないとダメなんです!
この犯人の手記というのがミソ♪この形だからこそ成り立つ物語で、そういう意味ではさすが東野圭吾!と言わざるを得ません。
そしてこの作品では加賀恭一郎の過去が明かされます。加賀は刑事になる前に教師になっているのですが、その教師を辞めたいきさつがこの作品で明かされているのです。
加賀恭一郎の過去に何があったかは読んでからのお楽しみです♪
『悪意』への世間の評価
東野圭吾さんの最高傑作!一番好きな小説!という声が目立ちます。最後の最後にどんでん返しを持ってくる東野圭吾らしさが出ているからでしょうか。
ただ犯人自体はすでにわかった状態で進む小説なので、トリックを推理したりというミステリの醍醐味はあまりありません。その点が面白くなかったと感じる人も多いようですね。
また人間とは、悪意とは、などと考えさせられたという人も。
『悪意』はこんな人におすすめ
- 東野圭吾さんの小説が好き
- 人間の闇などの重いテーマが好き
小説購入ページへ
文庫本
あわせて読みたい小説
加賀恭一郎シリーズを最初から読むなら『卒業』
東野圭吾さんの小説をもっと読む
