2018年4月から二宮和也さん主演でドラマ化された「ブラックペアン」の原作本。
あのバチスタシリーズにも通ずる医療エンターテイメントドラマです。
『ブラックペアン1988』のあらすじ
1988年、世はバブル景気の頂点。「神の手」を持つ佐伯教授が君臨する東城大学外科教室に、帝華大の「ビッグマウス」高階講師が、手術の新兵器「スナイプ」を手みやげに送り込まれてきた。高階と真っ向から対立する「オペ室の悪魔」渡海。研修医の世良は、大学病院の激震に翻弄され……。(講談社BOOK倶楽部「ブラックペアン1988-海堂尊/著」より)
『ブラックペアン1988』の感想
この本の舞台は、1988年の東城大学外科教室。
教授の佐伯、転任講師・高階、くせ者の外科医・渡海などたくさんの医師や看護師が登場しますが、物語は研修医・世良が主人公にして進みます。
転任講師の高階が‟新兵器”「スナイプ」を持ち込んだことをきっかけに、様々なトラブルや事件(?)が巻き起こるストーリー。
事件といっても殺人事件が起きるような話ではなく、トラブルといった方がしっくりくるかなと思います。
作品内では1980年代末当時の大学病院医局の雰囲気がしっかりと再現されていて、白い巨塔と言われていた病院の雰囲気がひしひしと伝わってきました。
これだけリアルに病院のことを描くことができるのは、作者である海堂尊さんが医学博士だからですよね。
当時の病院の状況を知っているからこそ、これだけリアリティをもった描写ができるのだと思います。
手術室の様子や器具など、普通の作品では出てこないような専門用語も出てきますが、ストーリー展開にスピード感があるので誰でも楽しむことができる作品です。
そして、この作品の魅力の一つがバチスタシリーズの主要メンバー・田口や速水が医学生として登場していること!
若き日の彼等の姿が見られるので、バチスタシリーズファンとしても見逃せない1冊ですね。