ヒューマンドラマ

『キャベツ炒めに捧ぐ(井上荒野)』の感想あらすじ/季節感あふれる食材が登場する“おいしい物語”

管理人リナ
管理人リナ
こんにちは、リナです!今回は井上荒野さんの『キャベツ炒めに捧ぐ』を極力ネタバレなしでご紹介します。

季節感あふれる食材やレシピが登場する“おいしい物語”です。

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『キャベツ炒めに捧ぐ』のあらすじ

東京の私鉄沿線の、小さな町のささやかな商店街の中に「ここ家」がある。こだわりのご飯に、ロールキャベツ、肉じゃが、コロッケ、ひじき煮、がんも、あさりのフライ、茄子の揚げ煮、鰺のフライ・・・・・・、「ここ家」のお総菜は、どれもおいしい。オーナーの江子は61歳。友だちとダンナが恋仲になってしまい、離婚。麻津子は、60歳。ずっと想いつづけている幼ななじみの年下の彼がいる。一番新入りの郁子は、子どもにもダンナにも死に別れた60歳過ぎ。3人は、それぞれ、悲しい過去や切ない想いを抱きながらも、季節ごとの野菜や魚などを使い、おいしいお総菜を沢山つくり、お酒を呑み、しゃべって、笑って、楽しく暮らしています。(角川春樹事務所「キャベツ炒めに捧ぐ-井上荒野/著」書籍情報より

『キャベツ炒めに捧ぐ』の感想

メインの登場人物は江子、麻津子、郁子の3人。その3人が総菜屋を切り盛りしているので、おいしそうな食材やお惣菜がたくさん出てくるお話です。

3人が交代で主人公となって連作短編集のような形で物語は進んでいくのですが、これといって大きな事件が起きるわけでもなく、平凡な日常生活の模様があるだけ。

でもそれがこの作品の良いところ!

それぞれに個性があって、人間味にあふれるエピソードが盛りだくさん。そしてそんな平凡なエピソードにエッセンスを加えるように、季節感あふれる食材やレシピが登場します。

管理人リナ
管理人リナ
しかもその描写が思わず今すぐキッチンに立ちたくなるくらい、おいしそうなんですよね!

 

ただ1点だけ苦手だなと感じたのは、3人の年齢設定。3人とも60歳前後の大人の女性たちなのですが、それにしては少し若々しすぎるのです。

例えば作中にこんな会話のシーンがあります。

「そういえば、麻津子さんとダーリンって、体の関係はあるの?ないの?」

そう聞いたのは郁子だった。麻津子はタコの酢の物にむせた。

「体の関係、ってあんた……」

「ナイスよ郁ちゃん!あたしもそれ聞きたかったの。じつは最近やっちゃったんじゃない?」

引用:ハルキ文庫「キャベツ炒めに捧ぐ」P176より

60歳前後であればまだまだ若いのかもしれませんが、それでもこのような会話をするのは違和感があるなと思いました。

この点だけがどうしても引っかかってしまいましたが、読み終わったあとは「チャーミングな3人の女性たちが実在してくれたらな」とほっこりするお話でした。

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