言葉の力は偉大!
スピーチライター‟こと葉”の力強くも温かいスピーチに、心打たれること間違いなしです。
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『本日は、お日柄もよく』のあらすじ
お気楽なOL、二ノ宮こと葉は、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴で、すばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入り、「言葉」の修行を始める。成長したこと葉は、父の遺志を継いで初めて衆議院選に立つ、厚志の選挙を手伝うことになるが……!? 人と人とを結び合う言葉の限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。(徳間書店「本日は、お日柄もよく-原田マハ/著」より)
『本日は、お日柄もよく』の感想
スピーチライターに挑戦する女性を主人公にしたお仕事小説。
平凡なOLだった主人公・二ノ宮こと葉がひょんなことからスピーチライターという職業に出逢い、自らもその才能を開花させていくのです。
物語は久美という最良の師を得たこと葉の成長物語を軸にテンポよくストーリーが進み、とても読みやすかったです。
私は知らず知らずのうちにこと葉に感情移入し、ともに泣き笑い彼女を応援するようになっていきました。
そうしたシーンの積み重ねが、選挙に出馬した幼なじみの演説スピーチをこと葉が担当する作品最大の山場で一気に生きます。
こと葉が書くスピーチは、彼女自身が体験したことや考えたことから生まれており、平易ながら力強く温かい言葉に溢れています。
最近まで素人だったこと葉にこんな素晴らしいスピーチが書けるの・・・?とちょっと疑問ではありますが、スピーチに深く心を打たれたのは事実です。
それにしても、原田マハさんはどの作品でも読者に好かれるキャラクターを上手に生み出しますね。
まるで親しみを込めて友人を家に招くように、登場人物を通して読者を作品の世界に誘います。
最初から最後まで、優しさと美しい言葉に満ち、温かい気持ちにさせてくれる作品です。
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