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『思いわずらうことなく愉しく生きよ(江國香織)』の感想あらすじ/不器用に逞しく生き進む姿は、美しい。

管理人リナ
管理人リナ
こんにちは、リナです!今回は江國香織さんの『思いわずらうことなく愉しく生きよ』を極力ネタバレなしでご紹介します。

三者三様の孤独を抱えながらも、姉妹の絆で支え合う三人姉妹のストーリー。

『思いわずらうことなく愉しく生きよ』のあらすじ

犬山家の三姉妹、長女の麻子は結婚七年目。DVをめぐり複雑な夫婦関係にある。次女・治子は、仕事にも恋にも意志を貫く外資系企業のキャリア。余計な幻想を抱かない三女の育子は、友情と肉体が他者との接点。三人三様問題を抱えているものの、ともに育った家での時間と記憶は、彼女たちをのびやかにする。不穏な現実の底に湧きでるすこやかさの泉! 感動の長編小説。(光文社「思いわずらうことなく愉しく生きよ-江國香織/著」より

『思いわずらうことなく愉しく生きよ』の感想

「思いわずらうことなく愉しく生きよ」という清々しいのびやかさの溢れるタイトルに惹かれ、選んだ1冊です。

しかし、そんな明るい響きとは裏腹に三人姉妹がそれぞれ向き合う孤独と絆が静かなタッチで描かれていました。

中心人物となる三人姉妹は、いわゆる「難しい女」たち。

結婚七年目を迎える長女・麻子はDVを繰り返す夫や自身の理想と決別できず、彼の歪んだ愛情表現にすがり続ける。

次女・治子は、愛し愛されつつも、自身の意思を変えることに強い嫌悪感を抱き、恋人との距離が埋まることはない。

誰よりもロマンチストである三女・育子は、家族や恋人の確固たる「理想の形」を胸に抱きつつ、いざ持つ他人との接点は肉体の関係に留まってしう。

こんな「難しい女たち」が描かれている作品のため、自身を彼女たちと完璧に重ね合わせることは決してないのにも関わらず、“他人ごと”にも思えないのが魅力的な本です。

どの登場人物にも似ていないと思うのに、長女らしさ、次女らしさ、三女らしさ、そして三人姉妹(もしくは女性同士)特有の絆が上手く取り入れられているところに、どうしても惹かれてしまいました。

管理人リナ
管理人リナ
物語全体はとても静かなのに、突然勢いを増して走り始める突拍子のなさも面白いですね。

 

多くの女性は気持ちよいほど潔いのに面倒で、男性をどうしても必要としてしまう弱さも持っていると思います。

でも不器用に逞しく生き進む姿は、美しい。そんなことを淡々と、かつ精力的に教えてくれた、素敵な1冊です。