江國さんのユニークなストーリーと、こみねゆらさんの温かいイラストがあなたを不思議な世界へ連れていってくれるファンタジー小説です。
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『すきまのおともだちたち』のあらすじ
旅先で「すきま」に迷い込んだ私を助けてくれたのは、小さな女の子とおしゃべりなお皿。元の世界へ戻れない私と、不思議な魅力に満ちた彼女たちとの間には、いつしか友情が芽生えるが…。(集英社「すきまのおともだちたち-江國香織/著」より)
『すきまのおともだちたち』の感想
ひょんなことで主人公の女性が‟すきま”に入り込み、そこで会った「女の子」や「お皿」と仲良くなるファンタジー要素たっぷりの物語。
最初はその設定に戸惑いましたが、次第に主人公と「女の子」の深い友情を感じられて心が温まっていきました。
それに「女の子」と主人公のやりとりや主人公の心情を見ていると、《自分は自分でしかない》ということを思い出せてくれるのです。
自分は何者なのだろうとか、小難しいことは悩む必要がないのだと教えられたような気持ちになりました。
またこのお話の中では「お皿」がただの無機質な物ではなく、とても大切な物として扱われているので、物を大事にしようという考えを持たせてくれます。
普通なら‟すきま”に「女の子」がいることやそのような場所に入り込む、いわゆるパラレルワールドに入るような経験は絶対にできません。
だからこそ、小説を通じて一風変わった世界に行くことで世界観も広がって楽しいですね。これこそファンタジーの醍醐味!
なんとなくモヤモヤするとか友達と喧嘩をしたとか、大きな悩みはないけれど気分が沈んでいるという時は誰にだってあると思います。
けれどそういう憂鬱な気分の時に、このかわいらしい登場人物達が繰り広げるメルヘンチックな世界に入り浸ると途端に安らぎを感じられるのです。
ストレス社会で生きる私達だからこそ江國香織さんの描いたユニークで、でもどこか現実的なストーリーと、それを彩るこみねゆらさんの温かいイラストが心に染みるのでしょう。
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