宿命というタイトルの本当の意味を考えながら楽しんでもらいたい1冊です。
『宿命』のあらすじ
ある男をライバル視し続けた学生時代を経て警察官になった和倉勇作。ある時ライバルは容疑者として再び彼の前に姿を現した。
果たしてライバルは犯人なのか・・・?事件の真相とは?
そして次第に彼の人生を取り巻く謎が明らかになっていく。
『宿命』の感想
ふたりの男とひとりの女が翻弄される宿命と運命・・・
タイトルを運命ではなく宿命としたところに意味がある作品ですね。
主人公の刑事・和倉勇作はある殺人事件の関係者として、長年のライバルだった男に再会します。ライバルの男とは「因縁の」と言ってもいいくらい、学生時代にライバル視し、なおかつ勝てずに終わった相手でした。
そんな因縁の相手と結婚した、かつての恋人。和倉が事件の真相に近づくにつれ、三人の真の関係性が明らかになっていくというストーリーです。
最後の最後で思わぬ真実が明らかになり、私としては完全に予想外の展開でした。「えっ、そうなる?!」と同時に「なるほどね!」とも思いました。
細かな伏線が全て回収されて、ストンと納得できた感じでした。「宿命」というタイトルも含めて非常によくできたストーリーや設定です。
もちろん事件自体のトリックや犯人を推理するミステリとしての楽しみもありつつ、それ以上に人間心理や人物像に重きを置いている点は東野圭吾さんらしい作品だと感じました。
東野圭吾さんは理系や脳科学の話が得意で、作品の題材によく使われます。今作もその一つですね。かといって難しい話ではないので楽しめると思います。読み応え抜群の1冊をぜひ♪
『宿命』への世間の評価
大絶賛とまではいきませんが、ストーリー展開も含めて読み応えがあって面白かったという意見が多いですね!その後の他の作品に通ずるものを感じる人も多く 、東野ファンからはおおむね好評のようです◎
低評価の意見としては「あまりにもできすぎた結末で冷めた」という、現実ではあり得ないような設定を批判する声が多くあります。
『宿命』はこんな人におすすめ
- ミステリが好き
- 東野圭吾さんの作品が好き
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