管理人kisa
こんにちは、kisaです!今回は瀬尾まいこさんの『図書館の神様』を極力ネタバレなしでご紹介します。
温かく、穏やかで、それでいて前を向ける1冊。
心が疲れていたら、あなたも文芸部の一員になってみませんか?
『図書館の神様』のあらすじ
思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。(筑摩書房「図書館の神様-瀬尾まいこ」より)
『図書館の神様』の感想
「図書室の神様」は、ドラマティックな出来事が何も起こらない青春小説。
主人公の清(きよ)は、過去のあるトラウマをきっかけにそれまで打ち込んでいたバレーボールを辞め、そのままなんとなく教員を目指している20代の女性。
惰性のような日々を過ごしていた彼女が、誰も引き受けたがらない文芸部の顧問を押し付けられたところから物語はスタートします。
文芸部員はたった一人、一見スポーツマン風で文学からほど遠く見える大人びた少年・垣内君。
イヤイヤながらも彼と過ごす放課後の日々が始まります。
二人が道ならぬ恋に落ちるようなこともなければ、熱い師弟関係を結ぶこともありません。
二人の関係はお互いの人間性に踏み込まない緩やかなものです。
でも、この緩やかさこそ、この作品の最大の魅力。
ドラマティックなことが何も起こらないからこそ優しく、温かい作品に仕上がっています。
心が疲れていると感じたら、この本を開いて、あなたも文芸部の一員になりましょう。
明日前を向くために、今日はこの本を片手にまったり過ごしてもいいのではないでしょうか。
管理人kisa
瀬尾さんらしい、温かく、それでいて前向きになれる小説ですね。