「自分にぴったりの面白い小説に出会いたい!」そう思っても、星の数ほどある本の中からどうやって選べばよいか迷ってしまいますよね。
年間200冊以上の本を読み、児童文学をのべ470冊以上読んだ私が、あなたに合った一冊を見つけるための具体的な7つの探し方をご紹介します。

きっと、これからの読書生活がもっと豊かになるヒントが見つかりますよ!
自分に合う「おもしろい小説」の探し方7選
1.シリーズ化している小説を読む
シリーズとして続くということは、それだけ多くの読者から支持され、物語の質や魅力が一定の水準以上であることの証。
シリーズ化された小説は、安定した面白さが期待でき、次巻へのワクワク感も楽しめるのでおすすめです。
読み進めるうちに、登場人物や独特の世界観にどんどん愛着が湧き、「もっとこの物語を読みたい!」という気持ちにさせてくれます。
例えば、J.K.ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズは魔法学校を舞台にした壮大な物語で、世界中の人々を虜にしました。
1巻を読んだからといって、必ずしも2巻以降も読まなくてはいけないわけではありません。まずは1巻だけ読んでみて「自分に合う」を確かめてみましょう。
2.売れている小説・ベストセラーを読む
ベストセラー作品は多くの人に選ばれているため、話題性があり、比較的「ハズレ」が少ない小説選びの方法と言えるでしょう。
もちろん、「売れているから絶対に自分にとっても面白い」とは限りませんが、多くの人が購入して読んでいるということは、自分にも合う可能性が高いということ。
人気の本には多くの人の心を掴む普遍的な魅力や、その時代を映し出すテーマ性を持っている可能性が高いです。
また、友人や同僚との会話のネタにもなりやすく、読書体験を共有する楽しみも生まれます。
例えば、毎年の年間ベストセラーランキング上位の作品をチェックしてみましょう。その年に最も多くの人々の関心を集めた作品は、やはり何か特別な魅力があるものです。
また、サン=テグジュペリの「星の王子さま」やモンゴメリの「赤毛のアン」のように、時代を超えて読み継がれる名作も、長く愛されるだけの理由があり、おすすめです。
3.おもしろかった本と同じ作家の小説を読む
一度「この作家さんの本、面白い!」と感じたなら、その作家の他の作品も読んでみるのは、自分に合う小説を見つける確実な方法の一つです。
作家にはそれぞれ固有の文章のスタイル、好んで取り上げるテーマ、得意とする物語のジャンルがあります。一つの作品を心から楽しめたということは、その作家の持つ「何か」があなたの感性に響いた証拠。
同じ作家の別の作品も、同様に楽しめる可能性が高いのです。
「作家買い」という言葉があるように、これは失敗の少ない小説の探し方として知られています。ぜひ、過去に読んで心に残っている本を思い出してみてください。
4.「おもしろそう!」という直観に従う
書店でふと目に留まったタイトルや表紙、帯の言葉から感じる「なんだか面白そう!」という直感は、自分でも気づいていない好みに繋がる大切なサインかもしれません。
理屈で考えるのではなく、感覚的に「惹かれる」本というのは、無意識のうちにあなたの今の興味や求めているものと響き合っている可能性があります。
論理的な判断も大切ですが、時にはこうした直感を信じてみることで、予想もしなかったような素晴らしい名作に出会えることがあります。
5.映画化・アニメ化している小説を読む
映画やアニメになった小説の原作には物語の面白さがある程度保証されており、映像とは異なる深い魅力や新たな発見を楽しめます。
映画やアニメとして映像化される作品は、多くの人に受け入れられる魅力的なストーリー展開や、生き生きとしたキャラクター造形を持っていることが多いもの。
原作小説を読むことで、映像作品で省略されてしまったり描ききれなかったりするエピソードや、登場人物たちのより細やかな心情描写、そして物語の背景となる世界観の細部にまで触れられます。
また、映像を先に観ておくことで、世界観やキャラクターを想像しやすかったり、設定が頭に入ってきやすかったりするメリットもあります。
例えば、辻村深月さんの「かがみの孤城」は、本屋大賞を受賞しアニメ映画化もされましたが、原作を読むことで登場人物たちの心の機微がより深く理解できます。
また、ロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密(映画タイトル:チャーリーとチョコレート工場)」もおすすめ。映像で楽しんだ物語の原作を読むと、また違った面白さや作者のメッセージを発見できます。
6.好みが合う人の紹介を参考にする
自分と読書の趣味が似ている友人や家族、あるいは信頼している書評家やインフルエンサーがおすすめする小説は、あなたにとっても面白いと感じる可能性が高いでしょう。
感性や好みが近い人の推薦というのは、一般的なランキングや広告よりも、よりパーソナルで具体的な情報だからです。
その人が「なぜその本が面白かったのか」「どんな点が心に残ったのか」といった理由も一緒に聞くことで、より自分に合った本かどうかを判断しやすくなります。
なお、児童文学を470冊以上読んだ私のおすすめ本は、別記事『【おすすめBEST35】児童文学マニアが児童書を本気で厳選!』で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。


7.本のサブスクや読み放題で“気軽に試す”
月額制の小説読み放題サービスを利用すれば、金銭的な負担をあまり気にせずに様々な小説を試し読みでき、新しいジャンルや未知の作家との出会いを大きく広げることができます。
一冊ずつ購入するスタイルだと、「もし自分に合わなかったらどうしよう…」と、普段なかなか手が出せないジャンルや作家の本に挑戦するのをためらってしまうこともありますよね。
しかし、読み放題サービスなら1冊あたりのコストをぐっと抑えられるため、そうした心配をせずに気軽に色々な作品に触れられます。
「ちょっと読んでみて、合わなければ次の本へ」と気楽に試せるので、失敗を恐れることなく、自分の読書の幅をどんどん広げていけるのが大きな魅力です。
例えば、Amazonが提供する「Kindle Unlimited」は、非常に幅広いジャンルの小説が読み放題の対象となっており、気軽に新しい本との出会いを探すのにぴったりなサービスの一つです。
見つけた小説が「本当に自分に合うか」を見極める3つの最終チェックポイント
気になる小説を見つけたら、次に大切なのは「その本が本当に自分に合うかどうか」を最終的に見極めることです。
いくつかのポイントをチェックすることで、「思っていたのと違った…」という購入後のミスマッチを減らし、より満足度の高い読書体験へと繋げることができます。
ポイント1:第一印象は侮れない!タイトル・表紙・帯で「ビビッとくるか」感じ取ろう
本の「顔」とも言えるタイトル、表紙のデザイン、そして帯に書かれたキャッチコピーは、その本の内容を凝縮して伝えようとしています。
これらを見て直感的に「ビビッとくるか」「何か心惹かれるものがあるか」を感じ取ることは、非常に重要な判断基準の一つ。
人が何かに惹かれる際の直感というのは、自分でも気づいていない好みや、その時まさに求めているものと、無意識のうちに合致している場合が多いです。
視覚的な情報から「なんだか面白そうだな」「この雰囲気が好きだな」と感じる本は、あなたとの相性が良い可能性が高いと言えるでしょう。
具体的には以下の視点でチェックしてみてください。
タイトル | 簡潔で興味をそそるか? 自分の読みたいテーマと合っているか? |
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表紙 | イラストや写真、全体のデザインが自分の好みか? 作品の雰囲気を的確に表現していると感じるか? |
帯 | 書かれたキャッチコピーに心が動かされるか? 推薦者のコメントは信頼できそうか? 書かれているあらすじは魅力的か? |
ポイント2:冒頭・あらすじ・目次で最終確認!「本当に読みたい内容か」を吟味しよう
本の冒頭部分、裏表紙や書籍情報サイトに書かれているあらすじ、そして目次を読むことで、その小説の文体や物語がどのように始まるのか、全体の構成はどうなっているのかを把握し、自分の期待と合っているかを確認できます。
本の冒頭は作家の文章の個性や作品の世界観が最も色濃く表れる部分。
そして、あらすじや目次は物語がどのような方向へ進むのか、どんなテーマを扱っているのかを示してくれます。
これらが自分の好みや「こんな話が読みたい」という気持ちと合致していれば、その本はあなたにとって読み進める価値が高いと言えるでしょう。
ポイント3:【究極の相性診断】数ページ試し読みして「心が動くか」確かめよう
実際に気になる小説の数ページを丁寧に読んでみて、文章の表現やストーリーの展開に「心が動かされる」部分があるかどうかで、その本とあなたとの相性を最終的に判断することができます。
小説の本当の魅力というのは、単に論理的な情報として物語を追うだけでなく、登場人物の気持ちに共感したり、美しい描写に感動したりといった感情的な体験にあるからです。
試し読みの段階で、「この表現、すごく好きだな」「この先どうなるんだろう、気になる!」といったポジティブな感覚、つまり「心が動く」瞬間があれば、その本はあなたにとって素晴らしい一冊となる可能性が非常に高いと言えるでしょう。



ただ、本屋さんで購入前の本を試し読み(立ち読み)するのはおすすめできません。あくまでも購入済の本や、サンプルが読める電子書籍で相性を確認してください。
小説選びの失敗を恐れず読書を楽しむ秘訣
全ての小説が自分にぴったり合うとは限らないと割り切り、「この本は合わなかったな」という経験も、次の本選びのための貴重な学びと捉えることで、小説選びそのものをより気軽に楽しむことができます。
完璧な選択をいつも求めすぎると、かえって読書のハードルが上がってしまい、新しい本に手を伸ばすのが億劫になってしまうかもしれません。
「合わない」と感じる本に出会うことも、実は自分の好みや「こういうのは苦手なんだな」という傾向をより深く知るための大切な経験なのです。
読んでみて「これは違うな」と感じたら、途中で読むのをやめても全く罪悪感を持つ必要はありません。「積読(つんどく)」になってしまう本があっても、それはそれでOKと気楽に考えましょう。
まとめ
自分が「おもしろい」と思える本の探し方は次の7つ!
- シリーズ化している小説を読む
- 売れている小説・ベストセラーを読む
- おもしろかった本と同じ作家の小説を読む
- 「おもしろそう!」という直観に従う
- 映画化・アニメ化している小説を読む
- 好みが合う人の紹介を参考にする
- 本のサブスクや読み放題で“気軽に試す”
シリーズ作品やベストセラー、好きな作家の別作品といった定番の探し方から、直感や人からの紹介、サブスクリプションサービスの活用まで、様々なアプローチがあります。
そして、気になる本を見つけたら、第一印象、冒頭やあらすじ、そして試し読みでじっくりと相性を確かめてみてください。
完璧な一冊に最初から出会えなくても大丈夫です。相性が良くないなと感じたら、読むのをやめるのも悪いことではありません。
色々な本に触れる中で、きっとあなたの心に響く、かけがえのない一冊が見つかるはずです。