
児童文学マニアの希咲です!
2025年8月に発売される新刊児童文学やYA小説の情報をまとめました。
発売日順に並べているので、ぜひ参考にしてみてください。
※順次更新しています
※発売日は予定です
涙の箱
『涙の箱』
ハン・ガン 作 / きむふな 訳
出版社:評論社
発売日:2025年8月18日
ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話
この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して昔、それほど昔ではない昔、ある村にひとりの子どもが住んでいた。その子には、ほかの子どもとは違う、特別なところがあった。みんながまるで予測も理解もできないところで、子どもは涙を流すのだ。子どもの瞳は吸い込まれるように真っ黒で、いつも水に濡れた丸い石のようにしっとりと濡れていた。雨が降りだす前、やわらかい水気を含んだ風がおでこをなでたり、近所のおばあさんがしわくちゃの手で頬をなでるだけでも、ぽろぽろと澄んだ涙がこぼれ落ちた。
評論社
ある日、真っ黒い服を着た男が子どもを訪ねてくる。「私は涙を集める人なんだ」という男は、大きな黒い箱を取り出し、銀の糸で刺繍されたリボンを解くと、大小、かたちも色もさまざまな、宝石のような涙を子どもに見せた。そして、このどれでもない、この世で最も美しい「純粋な涙」を探していると話す。男は子どもがそれを持っているのではないかと言うのだが――。
ミッドレッドの約束 アスタリット星国記2
『ミッドレッドの約束 アスタリット星国記2』
著者 日向 理恵子
出版社:角川書店(角川文庫)
発売日:2025年8月25日
「火狩りの王」著者が描く新たなファンタジー、第2弾。
出典:角川書店
写本士見習いのコボルたちが、ネバーブルーインクによって祖国の真実を書き記した後。アスタリット星国の元写本士だった少女・ニノホは、〈塵禍〉や戦争の被害に合った人々が暮らす避難キャンプで支援団の一員として活動していた。ある日、ニノホはひとりの少女から母親の形見のノートを渡される。日記と思われたその中には、何かの書物から破り取られたような、不気味な赤いインクで文字が書かれた紙切れが紛れ込んでいた。ニノホは少女にノートを返す間もなく、キャンプを去ることに。一方、「影の犬」の伝説が残るペガウ犬国で、密猟者として身を隠して生きる少女・ノチセは、親代わりである僧侶・サドホミから、ある人物を狙った狩りを依頼される。標的がいる街を訪れたノチセは偶然ニノホと遭遇するが、その先には思いもよらない出来事が待ち受けていた――。「火狩りの王」著者が描く新たな冒険ファンタジー、第2弾。